トラウマは時が解決しないか

「70年代、コスト削減を優先して牛丼の味を変え、消費者の反発を招き80年に会社更生法申請追い込まれた苦い経験」(日経3/11朝刊)が今だにトラウマとなって今回の豚メニュー投入の決断を遅らせたのだとしたら、一度負った心の傷はかくも長くその人の行動や判断に大きな影響を持ちつづけるのかという恐ろしさを禁じえない。

前回と今回は同じ事例ではないが、いずれもブランドイメージのとらえ方に関しての認識・判断が底流をなしている点で共通項があるようだ。すなわち、前回の決断はブランドイメージを軽視し過ぎ、今回はブランドイメージを過信し過ぎたということである。そしてその決断がいずれも業績を落とす結果をもたらした。同じ経営者が同様の過ちを犯したということは、個人の資質に負うところも大きそうである。

昼休みに某駅前の吉野家松屋が並んでいる店内をのぞいてみた。たまたまかもしれないが、吉野家は普通の入りに対し、松屋のほうは人があふれているように見えた。予想に反してやっぱし牛丼のインパクトが勝るのか?