松屋の逆襲

吉野家豚丼250円キャンペーンに対抗して松屋が牛丼復活作戦に打って出た。
「牛丼がないことへの渇望感」が最大のマーケティング主題である、つまりお客が求めているのはあくまでも牛丼であると判断しているのだろう。以前の290円に100円プラスしての販売でも十分な利益が得られるという皮算用があるわけだ。果たして250円でキャンペーンを張る吉野家に対抗するだけのパワーがあるだろうか。私はそれほどないのではないかと思う。

結局お客が求めているのは「安くてうまい」メニューであって、その答えはいつでも牛丼であるとは言い切れないのではないかと考えるからだ。かつてマクドナルドの経営者が、人間は12歳までに好んで食べたものを一生好むという斬新な(?)理論を発表し、子どもにハンバーガーを食わせろと大号令をかけていたことがあったが、昨今のマクドナルドの業績低下を見ると、どうやらその理論には誤りがあったようだ。

今回松屋が取る戦略は、ひとたび牛丼の味を覚えてしまった舌はパブロフの犬のごとく、牛丼があるとなれば金額にも構わず一も二もなく飛びつくだろうという、上記と似た構造の理屈に基づいているように思われるのだ。まあ、いずれにせよこの戦いの今後の展開は興味深い。