スローライフから見えてくるもの

スローライフスローフードという運動がグローバライゼーションのアンチテーゼとして盛んになっていて、フランスでは同じような文脈でジョゼ・ボべらによるマクドナルド打ち壊し運動なども起こっている。

しかしスローライフがブームになり、金になることがわかれば、結局最後にはグローバリズムに取り込まれてしまうという、全く滑稽としか言いようのない状況を生み出しかねない。

結局アメリカン・ウェイ・オブ・ライフであるところのグローバリズムが今の世界の基調であり、その巨大な勢力の前ではすべてのものが無力化し、取り込まれてしまうという構図になってしまっているのではないかという諦念が湧いてきてしまう。
われわれがそれを無批判に受け入れその果実を享受し続けた結果、そこから生まれた弊害についても罰として受け入れなければならないという悲しき現実に直面してしまったわけだ。

ブッシュなりアメリカを批判したところで、それを考えている主体は、すでにグローバリズムに毒され骨抜きにされてしまっているのかもしれない自分自身であるという視点は持ち続けなければなるまい。