ものを「自由に」考えることはできない
先日大学時代のサークルOB会があった。何人かの後輩など十数年ぶりに会ったメンバーもいたが、当然のように皆結婚し、ガキを作って育ててる、いわゆる家庭を持っているという状態であるわけだった。
宴席では「ウチ」は子供何人で…みたいなテレビドラマで聞くようなトークが、まさに目の前で繰り広げられていて、カルチャーショックを受けた。
ただ不思議だったのはそうしたトークを聞いていて、図らずも自分が素朴に彼らは「立派だ」と思ったことだ。
男子たるもの家庭を築いて一人前、みたいな旧弊な価値観は自分の考えの中に全く存在しないものだと思い込んでいたので、こんな考えが頭に浮かぶとは思いも寄らなかった。
つまりそうした考えが実は潜在意識の中にはしっかり植え付けられていたのだということがわかり愕然としたのだ。
もちろんこの考えは生まれながらにして先天的に持っていたものであるわけはなく、教育の過程で余所から取り入れさせられたものであることは間違いない。
どうやってもこんな保守的な考え方から自由になれないとするならば根本的にものごとを「自由に」考えることなどできないということになるだろう。