イチロー262

イチローの最終安打数は262であった。この安打製造機は見事だ。低めのボールをいとも簡単に芯で捕らえていく技術はスゴイの一語だ。
打球の軌道もまるでプリセットされているかのように、面白いほど容易に野手の間を抜けていく。内野安打は5本に1本程度で印象ほど多くはなかった。

一方、マリナーズの最下位独走があってこそ、この偉大な記録が生まれたとも言えるだろう。早々に優勝争いから離脱したため、個人記録に集中できた。

マリナーズの年間勝率が4割を割ったのは1992年以来の異例な事態である。もしチームが優勝争いをしていたら相手投手もまともな勝負を避ける傾向が出てきただろうし、常にエース級との対決を余儀なくされることになるので、自ずから成績は下がったろうからだ。

ともあれ、彼にもいわゆるトップエクスペリエンスのような体験があるのだろうか。風貌が時々神がかって見えるように思うのはこちらの意識過剰か。