ヴァンダの部屋

壊れていく内側と壊れていく外側が同時進行する。固定されたカメラがそこで営まれる人間の行為を淡々と記録していく。

虚飾のない人間の営為そのものに、見る者の心を動かすだけの大きなインパクトが存在するのだという痛烈なメッセージが伝わってくる。

並催されるビデオインスタレーションで、その記録の編集前の形が呈示される。この映画が持つダイナミズムの源泉がよくわかる。

フィクション、ノンフィクションといった分類が無意味であるような空間表現であり圧倒的な説得力がある。